なぜ何かがあるのか
宇宙の成り立ちや働きについて興味があり、これまで科学読み物をいくつも読んできた。ビッグバンから始まったのはわかったが、そもそも「ビッグバンの前には何があったのか」「そもそもなぜ何かがあるのか」という疑問にはどの本も答えてくれない。
『時間の終わりまで 物質、生命、心と進化する宇宙』の著者ブライアン・グリーンも同じ考えを抱いていたようで、何日も眠れない日を過ごしたのだとか(因みに、なぜ何かがあるのかという問いはあのライプニッツが定式化したらしい)。
本書はまだ5分の1程度しか読めていないが、宇宙の成り立ちから未来の姿まで、説明してくれるらしい。今は熱力学法則の解説が終わったところ。本文は500ページ以上ある大著だが、やわらかい語り口ですいすい読めてしまう。
『モモ』(ミヒャエル・エンデ著)について
『モモ』(ミヒャエル・エンデ著)を昨日読み終えた。小学5・6年生以上から読めるという紹介だが、現代の大人こそ読むべき内容だと思う。
廃墟となった円形闘技場跡に突如現れた少女モモは、不思議な力を持っていた。モモに話を聞いてもらうと、いつのまにか悩んでいたことの解決策が見つかったり、争いがなくなったりする。いつしか街では〈モモのところへ行ってごらん!〉が合言葉になるほど。そんな中、人間の時間を盗む”時間泥棒”が街で暗躍し始める。時間を奪われた人間たちを救うためのモモの冒険が始まった。
1973年の作品だが、2023年現在でも通用する現代文明批判の物語だと感じた。
・効率性ばかり追い求めていて、余裕がない。本当に生きるとはどういうことか。
・なんとなく時間に追われている。
そんな人は是非読んでほしい。
物語にはキラリと光るフレーズが散りばめられている。すべてを紹介できないが、主要キャラクターの一人”道路掃除夫ベッポ”の言葉はお気に入りだ。
(とっても長い道路を受け持ったとき)一度に道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。
